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十二国記 「月の影 影の海」 

月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
小野 不由美
4062550717


月の影 影の海〈下〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
小野 不由美
4062550725


ファンタジー小説の中では、一、二を争うほどにお勧めの物語、小野不由美 作 「十二国記」まずはシリーズ一作目「月の影 影の海」上下巻

 始まりは、現代で普通に生活していた少女が、ある日突然に、異世界へと送り込まれる。否応無しに連れて来られたその世界は、主人公「陽子」にとって優しいものではなく、あまりにも過酷で辛いものだった。
 十二国記の舞台となるのは神仙や妖魔の存在する世界。古代中国の世界をイメージしている。その名の通り、その世界には十二の国が存在する。十二の国はそれぞれ、神獣と呼ばれる麒麟(きりん)が天啓を受け「王」を選ぶ。王は世襲制などで継がれるものではなく、麒麟によって選ばれる。どうして、そんな世界に連れて来られてしまたのか。異世界から来た陽子は、海から来たものとして「海客」と呼ばれ、辿り着いた国では海客は民から疎まれる存在だった。

 「月の影 影の海」上巻は内容がとにかく暗い。勝手に連れてこられた世界は、彼女を不安と焦燥の奈落に突き落とす。人に追われ裏切られ、彼女は人を信じる事が出来なくなる。日々疑心暗鬼に駆られながら妖魔にも襲われ、心も体も傷つきながら彼女は戦う。
 初めて読んだ時は辛かった。異世界に連れて来られるような物語は様々あるけれど、ここまで主人公が酷い目に合うのは読んでいて悲しい。けれど脆弱だった彼女は、友となる半獣・楽俊との出会いがあって少しずつ変わっていく。友となるまでにも、様々な葛藤はあるのだが。
 上下巻で陽子は戦って傷ついて、そして助けられ人間として大きな成長を果たす。最初の彼女がまるで嘘だったかのように。でもそこまで成長できたは彼女が死ぬ思いをしてひたすらに努力をしたから。
 下巻は上巻が暗かった分、陽子の活躍も見られる。彼女の逞しくなって行く姿には、本当に胸がすく思いがした。感動します。女性に対して何ですが男前です。
 初めは取っ付き難いかもしれません。ですが、もしご存知ない方がいらっしゃれば是非お勧めしたい作品です。人間の持つ弱さも脆さも、そしてそれに勝つ強さもこの物語では多く描かれています。

 下巻で、陽子に迫られる選択。その葛藤も人間らしく、その迷いは弱いとは思えません。その時に楽俊がかける陽子への言葉。温かく、やわらかい。そして陽子を信じるその思い。様々な人物の心の感情も胸に沁みこんで来るようでした。成長していく様を見守っていける、そんな物語です。その後「十二国記」は、他の国を舞台として、物語は続いていきます。この世界はとにかく「仕組み」が面白い。似通っているようでいて、全く違う事も存在していて。ものすごく驚いた事があるんですが知らない方もいるかと思うとネタバレできませんね。

 「十二国記」は本当に壮大な物語です。ライトノベルの枠に収まらないくらい。この小説を読んだのは、成人して大分過ぎた頃。10代の内から読んでいたかったな、と後悔するぐらい魅力的な作品です。

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