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十二国記 「東の海神 西の滄海」 

東の海神 西の滄海 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
小野 不由美
4062551683


 十二国記シリーズ三作目「東の海神 西の滄海」シリーズの中ではかなりの人気作。

今 度の舞台は十二国の中で慶(景王・陽子の国)と国境を接する国、雁(えん)国。陽子の時代では、もうすでに500年もの治世を誇る大国である。物語は過去から始まる。雁国の王「尚隆」と雁の麒麟「六太」が出会う所から。尚隆は、日本の戦国時代に生きる小国の当主だった。争いの中、国の滅亡の寸前に六太は尚隆を助け延王として十二国の世界へと彼を連れ帰る。
 辿り着いた雁国では、先王の悪政の影響で土地は荒れ果て、民は疲弊しきっていた。(王がいない国では土地は荒れ魔物が増え災害が多くなる)そこから、彼らは新しい国作りの為に一歩を踏み出していく。

 それから20年が経ち、雁王・尚隆の治世によって雁国は少しずつ緑豊かな国へとなっていく。穏やか暮らせるようになって来たある時、ある州で謀反の動きがあると判明し延麒六太が、謀反の主格・斡由(あつゆ)によって拘束されてしまう。
民を思いながら、罪に手を染める斡由。幼い頃、斡由に助けられたがゆえに、斡由のもとで罪の意識と六太への感情の間に挟まれながらも彼を支えていく更夜。そして次第に斡由の内面が暴かれてゆき、それを目の当たりにする延麒六太と更夜の心情は……。
 延王は争いを鎮める為、半身でもある六太を救う為、敵陣へと身を投じる。堂々たる体躯の偉丈夫、尚隆。飄々として懐が深く大らかなその性格は、周りを温かくする力を持っている。彼は倭国にいた頃自分の命をかけても自国の民を救おうとしたのに、それは叶わなかった。その思い、悲しみは六太にも痛いほど伝わっている。彼も過去に辛い思いをしたからこそ、豊かで争いのない……そんな国にしたいと願っていた。
 彼らは、お互いが無くてはならない存在。言い争う事もあるけれど、互いを信頼しあっているという事が読んでいてよく伝わってきた。

 何ていったって……尚隆が格好良い(笑)その心も全て。こんなにも素敵な漢に惚れずにはいられようか。適当に動いてるかのようにも見えるのに、彼は先を見据えて行動している。一見不真面目にも見えるのに(苦笑)その洞察力は凄い。勝手に王宮を抜け出したりもするから彼に仕える官吏たちは心底大変だろうと思う。でもそういう不真面目な所やふざけた所も尚隆の良い所。本当に彼は王者たる風格が備わっている。いまや500年にも続く治世、その間も数々の困難もあって決して楽だとは言えなかっただろう。けれどこの二人がいて彼らを支える有能な官吏たちに巡り合えたからこそ為し得たことなんだとよくわかった。

 何だかもう、一冊なのに多すぎるほどの色んなものが詰め込まれた作品だと思います。「月影~」や「風の海~」などではまだ描かれていなかったような知略、謀略も絡んでいるし。何の犠牲も無く国が出来るわけではない……。こちらも本当にお勧めの作品です。そして、ホワイトハート版の、山田章博氏のイラストが格好良過ぎです。シリーズ全部、すっごく素敵です。「東の海神 西の滄海」の尚隆の表紙はもう大好きです!!!

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